2006年に竣工した処女作である「生きている建築」と題した住宅を訪れる。
あれから11年も経った。
当時、中学生だった息子さんは社会人になり、
当時、小学生だった娘さんは看護師を目指して頑張っているという。
そんな近況を聞きながら、時の流れを噛みしめていた。
この建築の中でいろんな物語が育まれたんだろうなと。
本当に大切に住んでいただいている。
「釘一本打ち込むこともなく、あの頃のまんまだよ。」とご主人がおっしゃっていらっしゃったように、11年も経つというのに、竣工して1年も経っていないかのようなあの頃と全然変わらない姿にびっくりした。
「変える必要がないほど満足している。米くんに頼んでよかった。」という言葉がジーンと胸に沁みた。
何度思い返してみても、右も左もわからない大学4年生の学生に設計監理を任せようと思ったお施主さんもすごいもんだ。
あの頃は、若さゆえの向こう見ずな情熱で「絶対にいい建築つくってみ...