第3回建築学会 会誌編集委員会
第3回建築学会 会誌編集委員会が昨日、東京の建築会館で開催された。
特集や連載について、その内容が詰められ、それに合わせて担当が再編された。 暫定的に提示された枠組みをベースとして、 委員それぞれから意思表明がなされ意見が述べられ、それに基づき議論が促され、流動的に枠組みがアップデートされていく。
一見その場のノリのようでいて、冗談や笑いのあるフランクさとピリッとした緊張感が入り混じる空気の中、議題が転がり、あるべきかたちにバシッとはまっていく。
キメとナリ、緊張と緩和のコントロールが会議を生きたものとして機能させている。
委員長である藤村さんのコントロール力もさることながら、門脇さんのアイロニーのきいたキレのある問題提起力、豊川さんのユーモア溢れる展開力、満田さんの冷静な判断力、山崎さんのおおらかな俯瞰力、それに、深尾先生による豊富な知識と経験に基づき、決してその場の空気に流されることなく、時として場を引き締め、時として新たな議題の提起がなされるということが加わる。
幹事のみなさんはじめ、委員も含め、それぞれの専門性のみならずキャラクターも適材適所で引き出されていきよいチームが出来上がりつつある。
会誌編集委員会に参加していて感じるのは、専門性の必要性である。 〇〇のことならこの人に書いてもらおう、語ってもらおうというような話が度々持ち上がる。 〇〇のことなら日本ではこの人だろうというような、その道の第一人者であることは強いなと感じる。 翻って自分の専門性(作家性)とはなんなのだろうかと改めて考えてみる。
藤村さんには、お会いする度に、最近はどのような活動をしているのか、それを歴史にどのように位置づけるのかということを問われ続けている。それが考えるよい機会ともなり、その都度、自分の考えをお伝えしてきたわけだが、 この委員会にはこれだけ豊かなプラットフォームが存在しているのだから、自分の関心事を放り込み、そこから何が求められるのか、自分自身の専門性はどのように見られているのだろうかということを逆照射的にみてみたいと思った。
思えばこれまでも、4年生での住宅の実施設計、SDレビュー、U30、博士論文、設計事務所主宰、アートイベントのアーキテクト、大学の教員、研究室の運営などなど、いつだって、自分を必要とする新たな環境に飛び込み、自身を取り巻く環境の要請により専門性を育んできた。
もちろん刺激的で面白い誌面をつくるということが最大の目的ではあるのだが、その過程において、会誌編集委員会という環境から自身の専門性が問われ、あるいはあぶり出され、必要に応じてそれが増強されることが要請されるだろう。
その覚悟はあるし、ワクワクもしている。目下のところは、自身を取り巻く環境が幾重にも積層している現状で、そのために必要な時間をどのように捻出するのかということが課題だな。