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みなとまち空き家プラクティス『水野雄太×小前奏人コンサートin旧・喫茶店千代田』特別公演

December 15, 2017

アッセンブリッジ・ナゴヤ2017関連イベント
みなとまち空き家プラクティス『水野雄太×小前奏人コンサートin旧・喫茶店千代田』特別公演が12月10日開催された。

 

この日のために、ステージ、客席、控え室などの空間構成、照明や暖房などの環境設計など特別にコンサート会場としての空間づくりを行った。


それでも、いっても元は喫茶店である。演奏会やイベントが行われることを想定して設計がなされているわけではない。特に音楽演奏は音響が重要になってくる。

建築正面にある吹き抜けのサンルームは、この建築の見せ場の一つであり、なにより吹抜けになっていることとガラスで覆われていることにより音響にとっても都合がよい。

だが、それを取り囲む空間が複雑で、どうしても客席空間をつくることが難しい。

 

そんなことをああでもないこうでもないと考え、この建築のもう一つの見せ場である竹の庭に面した暖炉のある奥の空間を会場として設えた。

水野さん、小前さんが会場入りし、リハーサルが始まった瞬間から建築内の空気が一変した。


音楽がつくりだす世界観が建築に溢れ出す。
否応なしに気持ちが引き締まり、緊張感が走る。
開演をむかえる17時には、会場は満席御礼である。

 

水野雄太(サクソフォン奏者)が奏でるサックスの音色と小前奏人(作曲家)が奏でるピアノの音色とともに、一夜限りのコンサート会場が立ち上がった。


めちゃめちゃカッコいい!


一気に来場者の心を掴み、自分達がつくりだす音楽(小前奏人作曲編曲)の世界に引き込むことで、会場の雰囲気を一つにしている。


純粋に、音楽の持つ力に嫉妬せざるをえない。
今でも頭の中に余韻が残りイメージが離れないほどだ。

演奏の合間にはトークイベントも開催された。水野さんと小前さんに加え米澤と山口くん(みなとまち空き家プロジェクトのプロジェクトリーダー)も登壇し、音楽と建築をテーマに以下のような話が展開された。

 

○コンサートホールではなく、町中の元喫茶店で演奏するということについて
・客との距離が近い。臨場感がある。
・水野さんはお父さんが建築関係であり、小前さんは廃虚に興味があるということもあり、空き家となり使われていなかった建築空間を会場として演奏会を開催するという本企画に関心があった。
・こういう昭和の喫茶文化が色濃く現れた雰囲気のある喫茶建築で演奏会をすることは楽しい。

 

○音楽にできること、建築にできることについて
・建築家として、その場で空気をつくり、感情を表現できる音楽に嫉妬する。
・音楽はその場限りであり、建築は残せる。
・廃墟もそうだが、朽ちていくことによる魅力をつくれるのが建築。

 

○建築におけるリノベーションと音楽における編曲や演奏表現の比較から考える
・空き家再生、建築におけるリノベーションにおいては、どこまで元ある空間性を尊重し、どこまで現代性や自己表現を付与するのかについての判断が難しいが、音楽においてはバッハやモーツァルトといった歴史上の偉人の作曲した曲を編曲したり、自己解釈を加え演奏表現する際はどこまで原曲を尊重し、どこまで現代性や自己表現を付与するか?
・歴史上の偉人による名曲を編曲することは、原曲のほうがよかったのではないかと言われてしまう恐怖をもちつつ挑戦する。
・音楽には型やスタイルといわれるものがあり、それは守り、あとは自由に表現する。

 

○どうしてもゆずれないこだわりについて
・人と人の繋がりを大切にすること。
・普通ではないこと。

 このトークイベントを通して、アッセンブリッジ・ナゴヤは、港まちを舞台とした音楽と美術のフェスティバルであるが、一過性のイベントとして終わるのではなく、ここでおこった状況を町に定着させたい、そのためにもアーキテクトが必要なんだという、依頼を受けた当初の言葉を思い返していた。


音楽やアートは、その場やその状況に一石を投じることができる。建築はそこで立ち上がった現象に形を与えることができる。


音楽やアートがフェスティバルの枠組みを通し、“普通ではないこと”を町におこし、イベントや演奏会によって人が繋がりをもち、そうした非日常的状態が浮き上がらせた可能性を建築により日常に橋渡しする。これこそがアッセンブリッジ・ナゴヤがもつ本来の意義であろうと。

そんなことを実感できた、とてもよい一夜であった。

 

来場者のみなさん、急なお願いにも関わらず企画に賛同いただき快くお引き受けいただいた水野雄太、小前奏人さん、関係者のみなさん、どうもありがとうございました。

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