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Project

空き家再生データバンク

愛知県津島市に80年以上もの間建ち続けている広大な長屋群がある。かつて賑わっていたであろうこの場所も時代の変化と共に住人が一人また一人と去り、現在では2家族を残すばかりである。
新陳代謝を失い、老いゆくばかりのこの場所を血脈の通った生きている状態に再生するプロジェクトである。
現在、日本国内には約820万戸もの空き家が存在しており、ともに問題を抱えている状況にある。それらへの展開をも視野に入れ、汎用性のあるケーススタディとなることを念頭においたプロジェクトでもある。
これまでに積み重ねられてきた木造住宅のリノベーション事例を分析し、単一操作ごとにその特性を整理した「アイディアの源」を作成することから始めた。
それを基に汎用性のある有効なアイディアとして創作し直した単一アイディアの集積である「アイディアの種」、具体的な様々な生活像を想定し「アイディアの種」を組み合わせ設計した各種「ユニットモデル」、各住人の間で向かうべきビジョンを共有するための「マスタープラン」を作成した。
住人は、それぞれの生活像に合わせ設計された「ユニットモデル」をベースに、組み込まれた「アイディアの種」を出し入れし、より自分たちの身体性、趣向にあった空間にカスタマイズしていく。
さらに、「マスタープラン」と「アイディアの種」の集積を基に、建築どうしの関係をデザインし、単一の建築のみならず群としての広がりをもつコミュニティをつくりあげていく。
生活の変化、住人の入れ替わりなどに応じ、さまざまな「アイディアの種」が長屋群に出入りし、刻一刻と変わり続けていく状態、「アイディアの種」を血脈とした流動的な循環を生み出す。
この血脈としての「アイディアの種」をデータバンクとし、常に日本のどこかで行われているリノベーションの手法を新たに収集、蓄積し続け、それを広く共有し、リノベーションのアイディアを循環させることで、日本中に存在している空き家に新陳代謝を取り戻させ、生きている状態に再生できたらと考える。

設計手法の確立①「アイディアの源」

これまでになされてきた木造住宅のリノベーションの事例を資料とし、各作品において単一操作ごとに課題、操作(部位、素材、性質、方法)、効果を抽出し、カテゴリー分けを行い整理し、リノベーションの手法分析シートである「アイディアの源」を作成した。木造住宅のリノベーションの事例として十分な資料を得ることができる点を考慮して、住宅作品及びその解説文を掲載している建築専門雑誌である「新建築住宅特集」を研究資料とし、リノベーション作品がまとまって掲載しはじめられる2000年から2015年までを対象期間とした。現時点において作品数107、操作数334を収集しているが、継続して収集分析を進める。(一部抜粋して掲載)

設計手法の確立②「アイディアの種」

「アイディアの源」を基に、リノベーションの手法を単一操作ごとに、一般的な町家の構成(平屋、二階建て、はなれが付属したもの、長屋など)をモデルとして適応させ、汎用性のある有効なアイディアの祖形として創作し、それらを集積した「アイディアの種」を作成した。現時点において193の「アイディアの種」を作成しているが、継続して収集、創作を進める。
(一部抜粋して掲載)

設計手法の確立③「ユニットモデル」

アーティスト夫妻の家、たこ焼き屋の家など具体的な生活像を想定し、空き家を「アイディアの種」を組み合わせ設計したリノベーションのベース案となる「ユニットモデル」を作成した。
現時点において、実際に入居されるアーティストI夫妻、たこ焼き屋を営まれるY家族などの具体的な生活像を基に11の「ユニットモデル」を作成しているが、継続して設計を進める。(一部抜粋して掲載)

設計手法の確立④「マスタープラン」

愛知県津島市に80年以上前に建てられた、路地を介して向き合う平屋6棟、二階建て5棟の長屋群をリノベーションするにあたり、具体的な住人の生活像を基に設計された11の「ユニットモデル」の間の関係をデザインし、コミュニティを構想した「マスタープラン」を作成した