

京都御所西の町家
ぼくたちが設計を行い監理を進めてきた「京都御所西の町家」がついに竣工をむかえた。 京都御所から一区画西に入った古い町家が多く残る界隈にこの建築は建っている。 前面道路に接する建物の軒下を通らなければアクセスできないほどの究極の旗竿敷地であり、もちろん再建築不可の敷地だ。
しかも周囲には建物が密集しており、南側に隣棟間隔がほぼゼロで3階建てのオフィスビルがそびえ立ち日照を遮っている。
この難題を抱えた町家をリノベーションして豊かな環境をそなえた住空間として再生させようというプロジェクトである。 想定外の予期せぬトラブルにも多々見舞われる難題の多いプロジェクトでもあった。
お施主さんとの二人三脚により難題を乗り越え、この日をむかえられたことに安堵し喜びを感じている。 密集する周囲の建物に囲まれ、日も当たらず風も通らず、長年ひっそりと息をひそめていた町家に、南東方向と南西方向にかろうじて存在する環境の経路を建築内に引き込み、建築内に設けたヴォイドの連環を通して、日照、通風、人の流れといった循環を生み出すことで、小さいながらも豊かな環境をそなえた町


『海沿いの家』建前
ぼくたちが設計、監理を行っている「海沿いの家」の建前が本日行われた。
大学の授業終わりで現場にかけつける。 やはり建前というのは工事のハイライト的でワクワクするものだな。
海の見え方やスケール感など再確認できてよかった。
頭の中に思い描いていた建築空間が、模型、ドローイング、図面を経て、いよいよ1/1として目の前に立ち現れてくる。
理想と現実がオーバーラップする瞬間でもある。 工事、現場監理はまだまだこれから。
めちゃめちゃいい建築をつくるべく、気を引き締めてのぞみたい。


「みなとまち空き家プロジェクト」オープン
アッセンブリッジ・ナゴヤ 2017の開幕に合わせて、先週末、米澤隆建築設計事務所が企画・監修させていただいている「みなとまち空き家プロジェクト」(アッセンブリッジ・ナゴヤ 2017関連プロジェクト)がオープンした。 といってもアッセンブリッジ期間中、3つのタームに分け、第1タームを拠点づくり(第2ターム:研究・リサーチ、第3ターム:企画)としているので、当面は「みなとまち空き家ラボ」の拠点づくりそのものを企画、施工にいたるまで公開させていただくかたちになる。 拠点としている旧・喫茶千代田は、名古屋港駅から徒歩2分、名古屋港水族館から1区画を挟んだ距離にあり、当時は名古屋港で人気を誇ったレトロモダンな喫茶店建築だ。 ヒューマンスケールな空間がポコポコ複合したような可愛らしい外観もさることながら、一度中に入ると、中央に配置されたコの字に回る大きなカウンターテーブルのある厨房、吹き抜けになっていて南面の全面ガラス壁から光が降り注ぐサンルーム的空間、竹が生茂る庭、木彫り装飾の柱梁、空間ともマッチし趣のある調度品など、昭和の喫茶店文化を色濃く表した独特な世


アッセンブリッジ・ナゴヤ2017
名古屋の港まち(名古屋港~築地口エリア)を舞台としたクラシック音楽と現代美術のフェスティバル「アッセンブリッジ・ナゴヤ2017」が、2016年に続き今年もいよいよ明日10月14日(土)から12月10日(日)まで約2ヶ月に渡って開催される。 コンサートホールや美術館ではなく、町中に音楽やアートが飛び出し、港まちのあちらこちらで同時多発的にアート展示や音楽演奏会が行われる。 この町がまだ産業港だったころ、町の人々に愛され賑わっていたであろうが、その役目を終え、ながらく眠りについていた寿司屋、税関寮、接骨院、文具店、ボタン店、染物店、喫茶店などの建物が長い時を超え、新しい息吹が吹き込まれ、音楽やアートの会場となる。 もちろん現役ばりばりに町の人のみならず、この町を訪れる人も含め、その生活を支えている水族館、寺、神社、酒店、うどん屋、珈琲店、ポートハウス、ポートビル、文化小劇場などの建物も会場となっている。 町と音楽、町とアートが出会う。 これぞフェスティバル(祭り)。 日常の風景が音楽やアートというフィルターを通して違った見えかたをする。 もちろん音楽


「みなとまち空き家プロジェクト」始動開始!
「みなとまち空き家プロジェクト」は、名古屋の港まちを舞台に、空き家問題、建築活動、まちづくりに取り組むプロジェクトです。 調査、研究を行う「みなとまち空き家ラボ」、教育、普及を行う「みなとまち空き家スクール」、実践する「みなとまち空き家プラクティス」から構成され、米澤隆建築設計事務所が企画・監修を行い、港まちづくり協議会とも連携をとり、中部地区で建築を学ぶ有志の学生(NAGOYA Archi Fes 2018)とともに港まちの空き家を対象に調査、企画、設計、施工を行います。 社会問題にもなっている空き家が、まちの資源となってまちに開かれ、人びとが集う新たな場所として生まれ変わります。 また、アッセンブリッジ・ナゴヤ 2017の関連プロジェクトとして、会期中、「みなとまち空き家ラボ」の拠点でもある旧・喫茶千代田を公開しながら、来場者参加型のワークショップなどを開催します。加えて、新たな場をつくるための実践として、アートや音楽のイベントを開催する予定です。 構成団体|米澤隆建築設計事務所(企画・監修) /NAGOYA Archi Fes 2018


第3回建築学会 会誌編集委員会
第3回建築学会 会誌編集委員会が昨日、東京の建築会館で開催された。 特集や連載について、その内容が詰められ、それに合わせて担当が再編された。
暫定的に提示された枠組みをベースとして、
委員それぞれから意思表明がなされ意見が述べられ、それに基づき議論が促され、流動的に枠組みがアップデートされていく。 一見その場のノリのようでいて、冗談や笑いのあるフランクさとピリッとした緊張感が入り混じる空気の中、議題が転がり、あるべきかたちにバシッとはまっていく。 キメとナリ、緊張と緩和のコントロールが会議を生きたものとして機能させている。 委員長である藤村さんのコントロール力もさることながら、門脇さんのアイロニーのきいたキレのある問題提起力、豊川さんのユーモア溢れる展開力、満田さんの冷静な判断力、山崎さんのおおらかな俯瞰力、それに、深尾先生による豊富な知識と経験に基づき、決してその場の空気に流されることなく、時として場を引き締め、時として新たな議題の提起がなされるということが加わる。 幹事のみなさんはじめ、委員も含め、それぞれの専門性のみならずキャラクターも


元所員の活躍
米澤隆建築設計事務所を経て今は北海道のとある北方の村で地域おこし協力隊として活動している元所員が、昨日、近況報告を兼ねて事務所に遊びに来てくれた。 気候風土について、生業について、歴史、文化、風習について、人々についてなどなどその村の事情を聞き、課題や可能性について語り合った。 そんな中で、うちの事務所での経験が生かされた取り組みや企画が見受けられ嬉しかった。
まぁなんにしろ彼が新たな環境に飛び込み、その挑戦が上手くいっているんだなという様子が知れ安心した。
先日もその村の名産品であるホタテを大量に送ってくれ、事務所の皆で美味しくいただいた。 ちなみに同じく米ジム一期生のもう一人の元所員は、うちの事務所を経た後、彼の夢であった建築企画プロデュースの道で東京を拠点に勢力的に活動している。 彼には今でも米ジムや米ラボのプロジェクトに企画プロデュースの観点から協力してもらったりしている。 卒業していった所員や学生が新たな環境で活躍し、また別のかたちで繋がっていけるというのは理想的だなと思う。
そして、こうやって定期的に近況報告などを兼ねて遊びに来


未来を設計せよ、大同大学
大同大学の名鉄電車の車内広告で米澤隆研究室を特集していただいている。 「未来を設計せよ、大同大学」「社会に役立つ、建築の新たなカタチを発明する。」
とか大きなことを言ってしまっていて少々気恥ずかしいですが。 イラストレーターJUNOSONによるデザインでなかなかカワイイのでは。
名鉄電車に乗る機会がありましたらチェックしてみてください